Akihiko Taniguchi

夜の12時をすぎてから今日のことを明日っていうとそれが今日なのか明日なのかわからなくなる / After it was past 12:00 of the night, when I will say "today" is "tomorrow", I can't discriminate between tomorrow and today

2010

左には実物の壁掛け時計、右にはその壁掛け時計を、短針が一周する12時間分撮影した映像が配置されている。 映像に映った時計は、時刻が現在の時刻と全く同じになるようプログラムで制御しながら再生されていて、実物の時計と比べて常に1秒以下の誤差でぴったり同期している。映画の中で悪役がこちらに向けて銃を発砲しても、その弾丸が鑑賞者に当たったり、鑑賞者が弾丸を避けようとしないように、映像に記録されたものは、すべて過去の出来事となり表象だけしか再生されないし、本来もっていた機能を失ってしまう。しかし、この映像の時計は現在の時刻を正確に表示する限り、元の時計が持っていた機械的な身体を一切持たないにもかかわらず、時計として機能しうる。表象だけの幽霊のような存在。
An analogue wall clock and a monitor showing video images of that same clock are displayed next to each other. The footage seen on the monitor shows the clock as filmed for twelve hours straight, while the playback is computer-controlled to always indicate the same time of day as the real clock next to it.

思い出横丁情報科学芸術アカデミー 第2回「たにぐち・わたなべのスーパーマイルドセブン」記事内での課題、「人は霊感が上がると幽霊が見えるようになると言われている。下記の条件を踏まえて、"幽霊"をつくりなさい。」の課題作品として制作。
http://www.cbc-net.com/dots/taniguchi_watanabe/02/