思い過ごすものたち

谷口暁彦

「思い過ごすものたち」について

「思い過ごすものたち」は、いくつかの日用品と、iPadやiPhoneを素材にした彫刻作品です。

“思い過ごす”とは、あれこれと考えすぎて、しばしば現実とはズレた認識や理解をしてしまうことです。
これは、作品を鑑賞する人や、作品に用いられているiPadやiPhoneたちが “思い過ごし” てしまうような、
ズレた接続や配置を試みた作品です。

iPadとiPhoneを、日用品のひとつとして捉え、特別なアプリケーションは使用せず、標準でインストールされているアプリケーションを、そのまま使用しています。

● 2013年3月 飯田橋「文明」にて展示
谷口暁彦 個展「思い過ごすものたち」

映像

A.

・天上から吊られたiPadが扇風機の風で揺れます。
・iPadの画面には、ティッシュペーパーが風でたなびいている映像が短いループで流れ続けます。

B.

・片手鍋の上に立て掛けられたiPadに、メモ帳アプリが表示されています。
・そこに“Volvic”(ミネラルウォーター)の水が数十秒おきに流れてきます。
・iPadの上を流れる水によって、iPadが誤動作し、メモ帳に文字が入力されます。
・ときどき、“Volvic”と入力されます。(本当です。 映像2:00ごろ)

C.

・天上から下向きにiPadが吊るされています。
・iPadには現在地を中心にして地図アプリが表示されていてます。
・iPadの裏側には強力な磁石があり、ときどき回転します。
・iPadの方位磁石のセンサーが狂い、地図アプリの画面は、現在地を中心にくるくると回転します。
・iPadの裏側にある磁石は、とても強力なので画面には金属製のクリップがくっつきます。
・そのクリップから1本の鉛筆を糸で吊っています。えんぴつもときどき、くるくると回転します。

D.

・2つのiPhone(a,b)がFaceTime(テレビ電話アプリ)で繋がっていて、それぞれお互いが撮影している映像を映しています。
・片方のiPhone(a)は天上から吊られ、時々点灯する電球を映しています。
・もう片方のiPhone(b)は暗い箱の中に入っていて、グラビアの切り抜きを撮影しています。しかし、真っ暗なのでiPhone(a)にはなにも映っていません。
・iPhone(a)が撮影している電球が点灯すると、iPhone(b)のモニターが明るくなります。
・iPhone(b)のモニターが明るくなることで箱の中も明るくなり、グラビアの切り抜きがiPhone(a)のモニターに映ります。

テキスト

展示の際に会場で配付していたテキストです。
制作の際に考えていた4つの出来事について書いています。

テキスト(pdf  1MB)

展示風景