置き方
Placement
2008 - 2011
ディスプレイの中に表示される映像と、その外側にある現実の物理的な空間を様々な方法で関係付けることを模索したインスタレーションのシリーズ。例えば、ディスプレイに川の水面の映像が流れると、同じタイミングで扇風機が動き始め、ウサギの毛皮をたなびかせる。映像の中で落下する工具が床に衝突すると、展示空間に置かれたマグカップが振動して音を鳴らす。そうした、映像の中の現象を、現実の空間の出来事と関係/同期させる仕組みを持つ装置を空間的に配置した作品。
今回の展示では、多くの部分が残っていなかったり、部品の劣化が激しいため、複数の構成要素から「オットセイ、本」の部分だけをピックアップし、液晶ディスプレイをiPadに置き換え再制作した。映像自体はオリジナルのものを使用している。
03-1|オットセイ、本
オットセイが鳴く様子が映るディスプレイは、それ自体が鳴き声に反応して上下に首を振るようになっている。ディスプレイは、その動きによって本に結び付けられた糸を引っ張り、本をパタパタと開閉させる。映像の中のオットセイが、現実の世界に置かれた本を鳴き声によって開閉させる。