【やってみる】ニック・モントフォートのTwoをremixする
ここまで紹介した事例を参考に、実際に偶然性を取り入れた詩を作ってみたいと思います。
先ほど取り上げたニック・モントフォートの「Two(二人)」という作品をもとにしながら、詩の作品を作ってみます。いわばリミックスです。
オリジナルのニック・モントフォートのTwoは以下のURLで公開されていて、各言語に翻訳されたものへもリンクされています。
The Two : https://nickm.com/2/the_two.html
ただし、日本語版は変数の名前が原因で正しく動作していないようだったので、以下に修正したものをアップしています。
The Two 日本語修正版 : https://www.idd.tamabi.ac.jp/~taniguchi/poem/futari.html
実際に「Two(二人)」のコードをみると以下の5つの配列(hajime, doushi, owari, shugo, mokutekigo)の組み合わせで詩が生成されていることがわかります。上記の修正版をダウンロードし、この配列の中身を書き換えることで、独自の詩の作品を作ってみます。
var hajime = ['警官は犯人と言われる人に近づく。',
'客はレジ係を見つめる。',
'ベビーシッターは子供に近づく。',
'学生は先生のドアを叩く。',
'ホームレスの人は図書館員の方を向く。',
'運転手は歩行者に声をかける。',
'救助者はサバイバリストを突き止める。'
];
var doushi = ['をしかる。',
'を頼む。',
'に告白する。',
'に助言を求める。',
'に助けを求める。',
'に同情を表現する。',
'を平手打ちする。',
'に反抗する。',
'に降伏する。',
'を抱きしめる。'
];
var owari = ['思い切り泣いた後、気分がよくなる。',
'共に祈る。',
'黙って待つ。',
'笑声を発する。',
'みだらな身振りはみだらな身振りを合わせる。',
'一人はついに壊れた意志を持ってしまう。',
'6年後、どちらもその事件を覚えていない。',
'もっと強力な人が勝利する。',
'弱者は勝ちを得る。',
'彼らはそれぞれ何かを学ぶ。'
];
var shugo = ['彼は', '彼女は'];
var mokutekigo = ['彼女', '彼'];
出来上がった作品
以下は、実際に小課題として出題し、受講していた学生が制作した作品です。オリジナルのニック・モントフォートの「Two(二人)」と読み比べてみてください。シンプルながらも、それぞれ独自の情景や雰囲気が生み出されていて面白いです。
「まだ知らない」 ぽい無
「与太話」
「三脚」 鄧 丁文
「リアル」 清水義裕
「弝・女三の宮」 小松 明日香
「工場の煙」
「たけし」
「日々」 篠原 佳蓮
「それ、と私」 松下 亮太
「バトル」 笠原 惇平
「エピローグ」
「お腹すいた」
「イヌと私」 中山大成
「無題」 畠遥七
「奴等」 江刈内太郎
「日常的」 石田大真